この試験機は車いす等の規格に規定された走行に関する耐久性試験を行うものです。
前後に装備された2個の回転ドラムの上にある段差により、4輪がそれぞれ交互に段差を乗り越えた際の衝撃を、最大20万回繰り返し加えます(試験によっては段差を外して行うものもあります)。
駆動輪のみ回転させる(片方のドラムのみ回転)させたり、車椅子以外の4輪の乗り物についても試験しております(車軸中心が30センチから95センチ以内)。
概略仕様
回転ドラム | 外径0.25 幅1.0m |
ドラム間隔 | 0.3~0.95m |
段差 | 高さ12mm 幅36mm |
安全装置 | センサによる停止 |
表示 | 回転数、走行距離、速度 |
試験例1:車椅子(手動・電動)走行耐久性試験(JIS T9201/9203/9208)
ダミーを載せた車椅子を横方向の動きは50㎜以内、垂直方向の動きは制限しないように、さらに、各々の車輪がドラム1回転中に1回段差を乗り超えるように位置決めします。
基準ドラムの周速度が1.0±0.1m/sになるように設定し、20万回まで回転させた後、目視、触感などによって確認します。なお、この試験はキャスタ交換が可能な車いすの場合は、製造業者が推奨する設定で行い、取扱説明書の区分記号の後に使用したキャスタ径を明記することになります。
試験例2:歩行車 耐久性試験(JIS T9265 8.4)
(最大使用者体重100kgの場合)ハンドグリップの後方参照点(中心より後ろの点)を結ぶ線の中心に、幅80 mm の当て板を乗せ、ハンドグリップに800 N±2 %相当の力を鉛直方向に負荷をかけたあと、除荷をするという操作を 20 万回繰り返します。
その荷重をかけながら、前後脚に車輪がある場合,走行耐久性試験のドラムを回転させることで全ての車輪を同時に回しながら試験を行います。
写真ではアクチュエータが設定されていませんが、実際には試験品の上部にアクチュエータを設置し、ハンドグリップに荷重をかけます。